ファミリーマート一部店舗で24時間営業を辞める方針へ

コンビニ業界大手のファミリーマートが営業時間について、店主が希望する場合は24時間から短縮を原則として認める方針を固めました。

ファミリーマートの澤田貴司社長は記者会見で来年3月から自担営業を認めると正式に発表をしました。

それと同時に、来年2月までに全社員のおよそ1割の800人の希望退職を募集し、本部の組織をスリム化するための構造改革を行うことを明らかにしました。

深刻な人手不足問題が起因


ファミリーマートは全国に約1万6千店ものフランチャイズ加盟店があります。そのフランチャイズ契約では原則24時間営業を行うというものです。

一方で各フランチャイズ店はアルバイトの人員を確保することが困難な状態となっており、深刻な人手不足が発生しています。人手不足の際にはフランチャイズのオーナーが代わりに店舗に立つ場合もありますが、その状態を長く続けることは難しく、やはり24時間営業を続けること自体が不可能な状況になってしまうのです。

この事態をファミリーマート本社が解決しようということで今回の24時間営業を原則とするフランチャイズ契約の根本から見直し、オーナーが希望すれば24時間営業ではなく時短営業を認めるとしました

新たな契約では、日曜の深夜から翌朝にかけての営業を辞める、もしくは毎日深夜の時間帯の営業を辞めるという2パターンから選択できるようにするそうです。

具体的な休業時間に関しては午後11時から翌朝の7時までの間の時間で本社と協議して決める方向としています。

そうなってしまえば、24時間の営業を続ける店舗が減ってしまいそうですが、その対策としてファミリーマートは24時間営業を続ける店舗に対しては本部が支払う支援金を10万円から12万円に引き上げることで対応します。

コンビニ業界に広がる24時間営業の見直し


ファミリーマート以外の大手コンビニでも24時間営業の見直しが始まってきています。

セブンイレブンでは11月から8店舗がすでに時短営業を始めているようです。また、営業時間を短縮する際のガイドラインによると深夜休業の時間帯は午後11時から午前7時までの最長8時間として深夜に休業する場合は原則毎日休業するとしています。

ただし、例外として金曜日の深夜帯など集客が見込める曜日を24時間営業にすることもできるようです。

ローソンではすでにフランチャイズ契約と新たに別の契約を交わせば時短営業を認めることとしており、すでに118のフランチャイズ点が営業時間を短縮しているようです。

コンビニオーナーの苦労


先ほども述べたとおり、アルバイトの人員を集めることがどうにも大変なようです。シフトが埋めることができなければオーナー自身、もしくは家族でフォローする必要があります。

東京都内などでは最低賃金が時給千円を超えるようになりました。バイトをする側としては大変嬉しいことですが、コンビニ経営者にとっては大変大きな負担へと変わってしまいます。

店の売り上げ的に最低賃金の増加のせいでどうしても人件費を削りたいと成れば人員を増やすのではなく、オーナーたちがカバーをしなければならないという風にも捉えられますね。

最低賃金を支払ってでも欲しいという店もありますが、最安値で募集をしても近隣の他のアルバイト募集の方が数十円高いなどの理由で集められない可能性もあります。

だったら、募集時給を数十円あげればいいと思うかもしれませんが30円あげたとして週3回8時間入る人が4人いれば30円×8時間×3日×4週×4人=11,520円も月の負担が増えてしまうのです。

11520円の利益をあげるということは利益率が20%と高く見積もったとしても5万円以上の売り上げを伸ばさなければ利益が減ってしまうのです。

今回の時短営業を認める方針でこの苦労がなくなればいいのですが、実際24時間営業を続ける店舗を優遇するという処置をどのコンビニ大手もとっています。ビジネスとしてオーナーをしているので、やはり利益は多くなければいけません。

そのことが理由で自身の負担を増やしてでも24時間営業を続けてしまう店舗もきっと数多くあることでしょう。24時間営業に付随して年中無休というのも経営者として辛い点かもしれません。

人員が確保できて土日を休みにできたとしても何かトラブルがあったとしたらオーナーは出ていかなければならない場合もあります。その為、長期の旅行や遠出になかなかいくことができないなんてこともよく耳にしますね。

最後に


今後コンビニ業界では24時間営業をやめていくという流れが強くなってくるでしょう。しかし、都心などでは深夜帯でも利用者が多く利益のために続けたいと思うフランチャイズ店舗も多いはずです。

24時間営業を辞める店舗が増えたとしたら、利益は増えるのか減るのかどちらに転ぶかも正直予想ができません。今後のコンビニ業界に望むことはオーナーたちの待遇を改善していって欲しいですね。

おすすめ記事